変なもの発見! 181〜210


 このコーナーでは、山チャリの旅先で見つけた、なんか変なもの不思議なモノを、紹介します。



211〜最新作へ

 No.210思わずつっこみたくなる、補助標識撮影日 2010.11.6
 岩手県西和賀町


いたって平凡、どこにでもありそうなヘキサ(県道の標識)が、今回の主役である。

もっと言えば、ヘキサの下に付いている、補助標識が真の主役だ。

ズームアップ!

ズームアップ!

↓↓↓






補助標識が、行き先表示の案内標識を兼ねている。

岩手県の国道や県道の標識では、標準的にこの表示が見られ、他県ではあまり見ない。
便利なので他県も導入してもらいたいと思う。

が、ツッコミどころはそこではない。

この肝心の行き先表示だが、

↑県道2.8km


お前も県道だろうが!

と、思わずつっこみたくなる。 ならない? なるよね? なる。





 No.209当てつけがましい看板撮影日 2011.7.19
 山形県川西町


米沢盆地の西側を走る国道287号は、ここ川西町の中心部を貫く幹線道路であるが、通行量の割にバイパス化はほとんど進んでおらず、歩道さえない区間が少なくない。
通学の小学生などはが危険な思いをしていることも想像されるわけだが、当然、地域としてもこれを黙って見過ごすわけにも行かず、行政に対して「歩道の整備」を看板で訴えている。

まあ、こういう光景は全国的に珍しいものではない。

だが、ここから数百メートル進んだところに、この看板と対を成すもう一枚の看板が設置されていた。(共に進行方向に向いている)

そしてその内容が、振るっていた。






あ〜おっかねがった!
早く歩道でぎねぇがなぁ〜


プッ!
この当てつけがましさ!!

なかなか歩道を設置してくれない行政に対する当てつけなのか、同じ集落内で歩道整備に積極的でない誰かへの当てつけなのか、どちらにせよ、公共物とは思えないほどの未練たらしさ!

しかも、口調がもろ方言口調になっているのも面白い。
お願いするときは、標準語で丁寧に畏まって。
しかし、思うようにならないと、いきなり方言でまくし立てる。
いいぞ。もっとやれ。





 No.208今だったら、訴えられそうな看板撮影日 2011.7.19
 山形県長井市


物売りがあき巣に
変るときもある


山形県の国道287号沿いで見つけた、だいぶ年季の入った標語看板。

内容は防犯について訴えているが、その文言は妙な迫力があり、とても印象に残った。

「物売り」という表現自体、最近とんと聞いた覚えがなかった。
いわゆる、戸別訪問販売員(セールスマン)の事を指しているのだろうが、下にあるイラストは明らかにステレオタイプなドロボウを描いており、この標語の根底には、こうした「物売り」への強い警戒心だけでなく、この職業に対する差別意識さえ感じられる。

…今だったら、こうした職業者に人権侵害を訴えかねられない内容とも思えるが、標語看板の良いところは、ドギツイ事を書いていても、どことなくユーモアが感じられると言うことだろう。ここにはまさに、古き良き標語看板魂がある。





 No.207県民性と無人契約機?撮影日 2008.11
 青森県八戸市


青森県八戸市郊外の静かな路地で見つけた、とある消費者金融会社のホーロー看板。
これと同じサイズの「マルフク」は非常によく見るが、「信頼のアルファクレジット」は初めて見る。

注目したいのは、この会社が展開していたと思われる、「自動融資受付システム」のネーミングである。

えんふりこ機

某社の“むじんくん”や“お自動さん”と同じような物だと思うが、このネーミングは東北人にしか理解されない可能性が高い。

おそらくこのネーミングは、「円振込機」と「ええふりこき」を掛けて誕生した物だろう。
そして「ええふりこき」とは、「いい振りをすること」つまり、見栄を張ることだ。


なるほど…、よく考えたものだ。

お金を借りて、見栄を張る。

描かれた男女のイラストも、この言葉の意味にばっちりヒットする感じでセンスを感じる。

だが、それでも私は大きな疑問を払拭出来ない。





はたしてこれは、客商売の商品名としてどうなのか?

…という疑問。

はっきり言って、あまり良いイメージのある言葉ではないし、お隣秋田県の県民性としてはよく享楽的で「ええふりこき」だと言われることがあるが、八戸の人々はどう思っているのか。

もっとも、こういう機械の性格を考えれば、明るく楽しい幻想的ネーミングでないのは、むしろ良心的といえるかもしれないが…。





 No.206文字では書かぬが伝わること撮影日 2011.5
 新潟県小千谷市


クマ出没注意!

6月27日(日)16時半頃
十二平〜塩谷附近でクマ
が目撃されました。山には入
る用事のある方は、重々
ご注意いただくよう、お願
い申し上げます。


田舎ではさして珍しくもないクマ出没の注意喚起文だが、その下にあるイラストが、言葉にならないインパクトを与えてくる。




クマクマクマクマクマクマ
クマクマクマクマクマクマ


これでは流石に、入山を見送らざるを得ないな…。





 No.205怖いのは地名だけじゃない撮影日 2005.10
 秋田県湯沢市


2枚の看板は一見して別の内容なんだが、下→上の順序で読むと連携しているような印象を受ける不思議なコンビだ。

火の用心
御願い
山林の火災防止の為
関係者以外の
山菜、きのこ等の採取
目的の入山を
ご遠慮下さい。
       三途川入会山組合

そしてここで、上の看板。


注意 ク マ 多 数

山には多数のクマが待ち構えているから、欲に駆られて入らない方が良いよ。
そう書いている気がするじゃないか?



 No.204誰の家なんだろう?撮影日 2010.1
 静岡県西伊豆町


おお何だ!こんなところにあったのか。俺の家!

そんなことを言いながら、料金も払わずに居座ったら、警察を呼ばれちゃうんでしょうね…。

俺の家だって書いてあるのに…。


でも、実際のところは、誰の家なんだろう……?



「俺の家ご利用のお客様」

って、なかなか凄い表現だなー(笑)。

しかも俺の家なのに、いちいち車を停める場所まで指示されちゃって…。

ちなみに、この文章の右にある図(上の写真参照)は間取り図ではなく、駐車場から俺の家までの案内図である。
俺の家なのに、わざわざ案内図を見ていくなんて…。
そうか、引っ越したばっかりだったんだな、俺。

こんな「プチ記憶喪失ごっこ」も楽しめる俺の家を応援したくなりますね。俺の家体験談募集中。



 No.203ちょっと怖い看板…撮影日 2010.1
 静岡県下田市


告 ぐ
此の土地に何人たりとも
残土及び産廃物の不法
投捨をしてはなりません。
尚投捨せし者はその筋
より罰せられます。

書いてある内容は真っ当なことなのだが、
「その筋」というのが、どういうことなのか?
必ずしも「怖い人」のことではなくて単に「明かさない」というだけの意図かも知れないが、敢えて警察だとは書かないところに、こちらの想像力の発露を期待する含みを感じる。
そしてそれはたぶん不法投棄対策に一定の効果がある。現にこの背後の空き地には、タバコの吸い殻1つ落ちていない感じだった。



 No.202誤植じゃくて?撮影日 2000.2
 秋田県潟上市(旧飯田川町)


・汚い、一人一人の
  小さな努力が
    自然を守る。


これって、最初の2文字がどこにかかるのか謎。

汚い → 一人一人 とかかって、我々人間は汚いけれど、小さな努力を積み重ねれば自然を守る大きな力になるんだと、そうとれないこともない。

しかし、ちょっといくら何でもひどいよね。汚いって(笑)。

或いは単純に、「(うわっ、この川)汚い」「一人一人の小さな〜」という、2つの文章が重なっているだけなんだろうか。
高度すぎてよく分からん。



 No.201捨てられるものの叫びを聞け撮影日 2003.2
 山形県鶴岡市


オトコなら、一度くらいはこんな事をいわれながら、すがられてみたいものだ。

イヤ!捨てないで

しかしこのイラスト、ずいぶんと凝っている。

適当に空き缶を描いているように見えて、口の造形など非常にリアルだ。
それでいて、切なげな表情とばっちりマッチしている。
プロのイラストレーターの仕事ではないかと疑ってしまう出来だが、残念ながらこの一枚しか見たことがない。
やはり男女平等が叫ばれて久しい昨今、このようなステレオタイプな女性像をイメージさせる標語は、難しい立場に立たされているのだろうか。

個人的には、とても好きな標語である。
そして言ってやりたい。
「オレは人の捨てた道を拾いはするが、お前さんを捨てはしないんだぜ。 なあ、ミリンダ。」 



 No.200笑うガードレール撮影日 2010.1
 静岡県河津町


にこにこすると、元気になるよね。

写真をひっくり返すと、泣き顔になるんだよ。



じゃあね。

「変なもの発見!」は、これからもみんなと一緒だよ。

記念すべき、200発目の変なものでした。



 No.199複雑すぎる交通規制撮影日 2004.1
 山形県庄内地方


とある雪降る街角で見つけた交通規制案内板。

工事区間(通行止)が、赤色
その迂回路が、青色
そしてどちらでもない道が、緑色

それは良いんだが、

複雑すぎるだろ。

迷路か、これは。



一部を拡大してみたのがこの画像。

赤い四角には、「車両通行止 1/28〜2/17」のように規制の内容が書かれている。
そして、何度見返してみても色分けの根拠がよく分からないところが、ちらほらある。

規制区間(赤)に囲まれてしまった「緑」とか意味があるのか謎だし、迂回路(青)とされている道も、どんな根拠でそうしているのか分からないところが多い。

そもそもここでこの案内板を見ても、目的地に着くまで内容を暗記していられるとは思えない。

複数枚に分けるべき看板を手抜きした結果が、これだよ…(多分)。



 No.198下らないことを、つっこんでみた撮影日 2003.7
 岩手県宮古市(旧川井村)


国道106号を走っていると必ず目に止まる、林道のポニーワーレントラス。
橋の形式自体が珍しいということもあるのだが、この色が妙に目立つんだよな。
もしかしたら目立たないような色を狙ったのかも知れないけど、逆にこの蛍光色っぽい青緑色は、リアル緑の中で大いに目立つ。

でも、ここでつっこみたいのはそれじゃあない。
もっと下らないつっこみなんだが、言いたいので言う。



「山を緑に」

って、

すでに緑ばっかりなんだが。

(改めて上の写真を見る)



 No.197もう遅かったみたい…撮影日 2003.4
 秋田県大館市


この人 「変」
 気づいたときには
  もう遅い

最後の「もう遅い」というのは結末をぼかしているが、逆にエグイ気がする。
いったい「気づいたとき」にはどうなってしまうと言うのか!

ちなみに、「この人変」と「気づいたとき」には「もう遅い」というのなら、いったいどう自衛すれば良いというのか。考えてみた。
「変」かも知れない人=知らない人 と言えるのだから、要するに、知らない人には注意しなさいという、真っ当な標語なのだった。



 No.196味わいのある峠の標識撮影日 2007.4
 岩手県宮古市


最近は「変なもの発見!」で本当に変なものしか紹介していなかったので、少し当サイトの趣旨にあったものを掘り出してこよう。
そう思って昔の画像フォルダを漁っていると、2007年に岩手県宮古市(旧新里村)と岩泉町を結ぶ国道340号を再訪したときに撮影した、左の画像を見つけた。

この場所は2003年に一度訪れて【レポート済み】であるが、その際には気付けずに素通りしていたらしい。
また2007年訪問では、押角峠に旧道を発見しているのだが、これも現時点では未公開のままである。

この古びた“白看”は、旧道ではなく普通に現国道沿いに存在する。押角駅から峠への登りの途中だ。
木の角材に取り付けられた、見慣れぬデザインの白看。
白看のデザインのレパートリーは決まっていたが、その中には見られないから、オリジナルデザインなのだろうか。
しかし、字体や看板自体の材質、配色など、随所に“白看時代”の匂いを留めている。
それに九十九折りで山を登るイラストは汎用性を感じさせ、各地の峠にあったとしても不思議はない感じだ。
どこか他の場所でも見つけたという人がいれば、教えて欲しい。

なお、下に3つ並んだ注意事項のうち、一番右のやつに見慣れぬ字が含まれる。
文脈から分かると思うが、これは「屈曲多し」だ。
カタカナの「ヨタ」みたいに見える字は、「多」の異字体「夛」を省略したもので、なぜかこの時代の看板では「多」よりもよく見る気がする。
最近はほとんど絶滅した感のある文字で、この一字にも時代を感じることが出来る。




 No.195なら出てくるな! 撮影日 2003.7
 秋田県湯沢市


東北の田舎道で見つけた、全く場違いなパツキン女の看板。
しかもこれが商用看板ではなく、普通は堅いイメージがある交通標語だというから、初っ端からズレている。

内容は完全なるマッチポンプである。

シャツのボタンを外して胸の谷間を露わにし、ズボンを下げてへそを出し、同時に扇情的なウィンクを見せるなど、これがパツキン女のイメージだと言えば、流石にかつて国際化を旗印に「ミネソタ州立大学機構」を誘致していた秋田県として、どうなんだろうかと思えるほどの下品さ。
挙げ句の果てに、へそが書かれていなければ“ズボンの上にショーツを身につけている”ようにも見える、作画の崩壊ぶりが痛い。

この看板に見とれてハンドル操作を誤るなどと言うことはまずあり得ないが、ギョッとして脇見運転を誘発することは起こりえるという、百害あって一利もない看板。

…でも好き。大好き。

好きすぎて久々に沢山語ってしまった。




 No.194プロを挑発する看板撮影日 2003.3
 秋田県男鹿市


ナマハゲで有名な山の麓、背後は絶海に臨み、すぐ近くには巨大な海蝕洞窟が多数ある。
幹線道路からは離れ、観光客はまず入り込まない。
祖先は海賊か平家の落人か、そんな勝手な想像したくなるような加茂集落だ。(にしても、海と「加茂」という集落名とは、どんな関連性があるんだろう?各地にあるよね?)

ここに一部のドライバーを挑発して止まない、一枚の看板が存在する。



注意
この先
プロでも通れぬ狭い道


「プロ」というのは、ライセンスを持ったプロレーシングドライバーなのか。
多分違うだろう。
ここでは、タクシー運転手などの職業ドライバーの事を指すのだろう。

そんな彼らでも通れぬと言う、狭さ。

果たして、いかほどのものか…。




狭い。

確かに狭い。

ただ狭いというだけでなく、家並みと車道が近すぎて狭い。

塀と並んで、直接民家の軒が並んでいる。
これはドライバーの精神的な圧迫は相当のものだと思う。
雪上の轍が道幅をはっきりと教えてくれている。


しかし、真のハイライトはこの後に待ち受けていた。




マジ、狭めっス!

それでもここは紛れもなく車道。
なおも轍が通じていることに注目。
まさに、脱帽!
轍の主は、プロドライバーに違いない!


…なんて書くと、「いや、行けるでしょ」なんて声も聞こえてきそうだが、この先は行き止まりなので、奥に駐車場を持ってない人は入るべきではない。
最悪、バックで戻ってくる羽目になるかもしれないが、覚悟できてる?



この超狭ゾーンを抜けると(長さは20mくらいに過ぎない)、反対側にはこの看板。

「注意 この先狭くて通れません」

って、オイオイ!

さっきと書いてる内容が違うぞ。
挑発するだけして、後は帰れなくてもok?
(なお、平成22年現在は新道が出来、この道を通らなくても良くなってしまいました…)



ちなみに、ここまでして辿り着ける一番奥らへんにあるのが、閉校したままの佇まいを残す加茂青砂小学校。
門前の尊徳像が雪をかぶって寒そうだったが、今でも子供たちが校庭で遊ぶのか、幾筋の小さな足跡があるのは救いだった。

挑発、終了。
まあ、実際の狭さだけならこのレベルは各地にあるだろうが、看板のセンスにこそ、脱帽だ。
出入り口で内容が違うのも、ナイス!




 No.193幽霊が書いた警告文撮影日 2006.3
 岩手県宮古市


今回のネタは、久々に肝が冷えるネタ。
正直、怖い話が苦手な人や、心臓の弱い人は今回は飛ばした方がいいと思う。
岩手の特に三陸地方は、なぜか怖い系のネタが多いなぁ…。

で、場所は宮古近郊の某所。
国道45号の旧道巡りというかなり根気のいる事を試した人なら、ここも通っているはずだが、たぶん記憶していないと思う。
“三日月路”的なごく小さな旧道だし、ましてその傍らに存在した“小屋”の中を覗いてみた人など、ほとんどいないと思う。

いま思うと、すでにこの立地の時点で、もっと警戒すべきだったんだと思う。侘びしい枯れススキの路外にあるのは、おびただしい数の墓標だったのだから…。



でも私は、

吸い込まれるようにして、

小屋のガラス窓を覗き込んでいた。



お札が貼ってあった…。

いきなり嫌なものを見てしまった。





毛糸の帽子と腹巻きを身に付けたお地蔵さまもあった。


地蔵……お札…


…カメラに写り込んだ、無数のオーブ…。


読みたくないのに、読んでしまう。




ここはゴミ捨て場ではありません! 自分の家のゴミは各自持ち帰りましょう!!

幽霊さん曰く、

「きたなくしないで
 おがんでね!」


幽霊さんに萌えた。手がたまらん。まるでぬこのよう。
そして、アクセサリのような「塔婆(とうば)」も密かにいい。ナイスだ。最高だ。



これは流行るかも!



 No.192イカしてる生活とは?撮影日 2005.10
 秋田県由利本荘市


イカしてる!
 君の生活(くらし)
  ごみがゼロ


これはなんとなく「イラッ」と来た標語。

私ももう若くはないが、年寄りが無理に若者を啓蒙しようとして、まったくスッカラカンで中身のない上っ滑りな標語を造ってしまったパターンでは無かろうか。
いくら片田舎でも、「イカしてる!」に心動かされる若者はいない。
そしていくら「ごみゼロあきた推進会議」だからって、現実的に“ごみゼロ”が不可能であることなど百も承知であるはずなのに、方法を示さず、いきなり「ごみゼロ」を正義のように押しつけてくるとは、なんともどうしょうもない駄目標語である。

ぷんぷん!




 No.191すてきだね ??? と ???撮影日 2005.3
 宮城県柴田町


すてきだね

下品な落書きに汚された、町で立てたらしい看板。
看板の前は県道で、背後は笹藪、その先に線路、さらに向こうは阿武隈川である。

とりあえず、これといって“すてき”な眺めでもないのだが…。

壮大にスベりそうな予感がしないか?



すてきだね
   きれいな川と



きれいな川と来た。

ますます嫌な予感が…。



すてきだね
   きれいな川と
         下水道


また下水道かよ!

一時期、下水道行政で流行ってたのか? 
もっともらしいコトバの後に、むりやり「下水道」を付けただけの標語。
確かに下水道はとてもありがたいインフラだけど、きれいとかステキというイメージじゃない気がする。




 No.190水、街、そして…撮影日わすれた
 秋田県男鹿市


がきれい
がきれい
がきれいッ
        …下水道


これはやはり、「秋田美人」というメジャーネタをフューチャーしているんだろうか?
「秋田県雄物川流域下水道工事」という事業名や「秋田県中央流域下水道事務所」という発注者名のお堅いイメージ(バリバリの役所だし)から見ると、ちょっと“3行目”ははっちゃけ過ぎじゃないかと思う(娘って…)が、何よりつっこみたいのは最後の行だ。

「水がきれい、街がきれい、娘がきれいッ」と、この秋田の風土の三大美をうたった後で、その〆となるひと言が…
…下水道」。


この落差がステキ。

特に娘のきれいさと下水道の関係は、想像がつかない。
でも、勢いがあるので許す。 むしろ好きだな、このノリは。




 No.189洗脳的、減速2005.3撮影
 山形県庄内町


減速・減速・減速
おねがいします村内減速


これは個人的には非常に好きな標語で、横綱級と言いたい。

実際に口に出して読んでみると分かるが、韻を踏んでいるのか非常にリズミカルで読みやすい。
そして口調も「おねがいします」と丁寧なのだが、実際には脅迫まがいの迫力がある。

これは効く。
毎日ここを通って標語を目にしていると、洗脳されかねないレベルだと思う。




 No.188世にも暑苦しい神社2004.9撮影
 秋田県鹿角市


男神社


碑面を見ると、昭和7年5月に「末広灌漑水路」の竣功記念に建てられたものらしいが、経緯はさておき、なんと言っても迫力十分インパクト120%のこの名前だ。

男神社って、なに?

いままで旅の道すがら数千の神社は目にしてきたが、男神社というのは初めて見る。
ふんどし姿の屈強な男どもが組んずほぐれつするような神事を想像して、ちょっとゲンナリした。

が、ネットで調べてみると、ヒットした。
どうやら大阪府にはかなり有名な「男神社」があるらしい。
他に四国土佐にもあるようで、もしかしたら西日本ではメジャーなのか?
ちなみにその男神社は「おの」神社と読み、素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祭神としている共通点があるようだ。
なるほど、そういう目線で探してみると、「須佐之男(すさのお)神社」というのは、さらに西日本各地にあるらしい。

とはいえ、この鳥居もなくポツンと石碑だけが存ずる鹿角の「男神社碑」が、これらと同類であるかはわからない。




 No.187小さな「いぬ」も通る道 2003.10撮影
 秋田県大館市(旧比内町)


ぺったんこ」で有名な旧比内町から、またひとつ印象深い交通標語を紹介しよう。

車が通る 子供も通る
いぬも通る S字カーブ


これ、子供っぽいが、実はかなり高度で絶妙だと思う。

車も子供も通るS字カーブだから徐行してくださいね…というのは至って平凡で印象に残らないが、そこに加えられた「いぬも通る」のユーモアがエッセンスとなって、一気に標語としての印象を深めている。2003年以来今まで忘れていたのは、私が猫派だからに過ぎない。
「いぬ」のフォントだけが少し小さいのも、確信犯的ないたずら心を演出していて可愛らしいではないか。

仰るとおり、道は車だけのものでは非ず、人も通ればまた、犬猫畜生の一切も通るのである。道というものの本質を明るくする、すばらしい名標語ではないだろうか。 




 No.186世にも珍しい、双子橋のなまえ2000.9撮影
 秋田県秋田市


このレポートを「変なもの」にするか「ミニレポ」扱いにするか悩んだが、撮影が2000年と当サイト内ではあまりに古く、特に歴史的な考察なども出来ないので、ここで紹介することにした。

この橋は、秋田市下新城岩城で新城川という小川を渡っている。
場所は【ここ】
道は県道41号秋田昭和線の旧道だが、すでに旧道であったこともほとんど忘れられ、生活道路として静かに過ごしている。

この場所に北側からやってくると、ご覧の景色に遭遇する。
道が二手に分かれ、それぞれに橋が架かっているのである。
ちなみに川もここで分かれており、左が新城川の旧河道で右が新河道のようだ。

まあ、ここまでは少し探せばありそうな風景だ。




はい。

これが左の旧河道(でも水量は本流っぽい)に架かる、旧県道の橋。

青色の欄干と袂の火の見櫓がトレードマークで、親柱は一本だけしか存在しない。

そして親柱には、橋名の銘板だけが取り付けられている。
残念ながら竣功年などは不明。




この橋の名前は…

高 橋。


正直、あんまり高い橋という感じもないが、昔はもう少し高かったのだろうか。
まあ、この名前を含めて至って平凡な橋に違いはない。




そしてこれが右の橋。

こちらは14tの重量制限が架かっており、旧県道の橋よりも幾分狭い。
この道は集落道(市道)で、対岸に数本の集落道を分けるがいずれも行き止まりという、ローカルな橋。

こちらは欄干が白いが、やはり親柱はひとつしかない。
そしてこの親柱には、おそらくあなたが初めて目にする橋の名が刻まれている。




低 橋。

ありそうで、なかなかなかった橋の名前。低橋。

左右の橋が高橋と低橋で対応しているというのも、おそらくここにしかない眺め。

ちなみに下を流れているのは新城川の新河道らしい川で、農業水利のために二又になっているのだと思うが、どちらも清流には遠い澱んだ街川だ。
これは水門で分けられているのでもないので、水位は変わらない。
すなわち、橋の高さも同じだ。


でも、低橋。

なぜ?





 No.185火の始末を油断すると、偉くなれる?2003.10撮影
 秋田県由利本荘市(旧本荘市)


火のしまつ ちょっとの油断が 大惨事

いや、違う。

火のしまつ ちょっとの油断が 大参事


“りっしんべん”が無いだけで、意味は全然違ってくるのだよ。
偉いのだよ、大参事は。

大参事(だいさんじ)とは、明治2年から4年までの日本におかれていた職名であり、現在の副知事に相当するのである。


…なんて、子供の仕事に空気読めないツッコミをしてしまいました。
ググったら、けっこう色々なところで「大参事」が「大惨事」の意味で使われているのを発見。
マイナー官職大参事大人気!





 No.184ぺったんぺったんつるぺったんこ 2003.10撮影
 秋田県大館市(旧比内町)


 ぺったんこ くるま
   こないか
よくみよう


車に轢かれるシーンを「ぺったんこ」と描写出来るセンスが素敵。
これでは子供たちも、さほど危険だとおもわないんじゃないか。

私が子供の頃、目の前で友達が車に轢かれたが、そんななまっちょろいもんじゃなかったぞ。
確かにむにゅみゅにゅって感じではあったが、そのあとが洒落にならんかった。
まあ、生還していたが。

ということで、みなさんも道路では「ぺったんこ」にならないように気をつけてね!





 No.183鶴ヶ坂のTBM 2010.6撮影
 青森県青森市


脅かすわけじゃないが、今回のネタは少々ハードだ。

恐がりの人は見ない方がいいかもしれない。



これから紹介するのは、青森県青森市鶴ヶ坂付近の国道7号線沿いにある、一体の「交通安全人形」である。

もうこの時点でいやな予感がしたという人は、正しい。


事の発端は、ミリンダ細田氏だ。

彼が昨年(平成21年)11月に家族旅行の途中、自らの運転でこの場所を往復したときに、はじめてこの人形の存在に気付いた。
だが、一瞬の出来事であったため、違和感を感じながらも素通りしたのだという。

続いての遭遇は今年の1月、またも家族旅行の途中、同じ場所、同じシチュエーションで、彼はこの人形を目撃している。
だが、この時も彼は家族の手前、わざわざクルマを引き返してまで確認せずに帰宅したそうだ。


そして、6月のつい先日、今度は里帰り中の私が助手席にいた。
時間は、丑三つ時だった。

運転席の彼は今回も一瞬通り過ぎかけたものの、突然引きつるように首を捻り、クルマをUターンさせた。
そして、とあるロードサイドのリンゴ果樹園の前に、クルマを寄せた。

「店長!店長! ちょっと寄り道いいすか?」



クルマが100mほど来た道を戻り、とあるロードサイドのりんご園に寄った瞬間、私にも見えた。

「交通安全」の旗を手にした一体の人形の、その忌まわしい姿が、オレンジのライトに浮かび上がったのである。




警告: これ以上スクロールすると画像を表示します。





見た瞬間、ぞっとした。





フラッシュを焚いて撮影。

おぞましいとしか表現のしようのない全体像が、明らかとなる。


こうして見ていると、ゾクゾクがとまらない。




脚部。

直立不動の姿勢で、右足のみ骨格の鉄パイプが露出している。
両足とも、靴は履いていない。




手部と腰部。

両手とも、いやに汚れた軍手を着用。
指は肉厚で、何かを掻きむしるようなカタチ。
また、腕は末端ほど太くなっている。
両腕とも造形はほぼ同じだが、左手は旗に添えられている。

腰から下には、まるでスカートのように白い布を身に付けている。
そのため、女性像と判断。




胸部。

見るに堪えない造形。

背中のラインは綺麗で女性らしいのだが、腹部が崩壊し、
肉であるところのブルーシートや布切れが歪に露出している。
巨乳かもしれないが、エロさは皆無。

…というか、これを前にしてそんな感情を持ったら、死にたくなると思う。


そして、次が最も きつい 部位…。









顔面。

作者はなぜこの形を選んだのか。

理解に苦しむ。

背と胸の区別は付くが、顔面と後頭部は判別が出来ない。

すなわち、顔面はないというべきなのだが、こうして眺めていると、

表情が見えるのが怖い。





横から見ると、こんなに細身。




細田氏と身長を比較。

女性としてはあり得ないほど背が高い。




恐れを知らぬ採寸中。

その結果、身長230cmと判明。

この模様をクルマから見ている間、
あの堅そうな細腕が動き出して、
細田氏の髪を掴むイメージが頭を離れなかった。




撤収。

車内でこの“人形”にいかなる名前を付けるべきかを相談したが、

細田氏案 1: 大釈迦菩薩

  (ちなみに大釈迦峠はこのすぐ近く)

細田氏案 2: 大釈迦ひとりカタコンベ

ヨッキ氏案: 鶴ヶ坂の立ちビニールミイラ

最後の案が細田氏の賛同を得られたので、我々の中では
鶴ヶ坂の立ち(T)ビニール(B)ミイラ(M)」と呼ぶことに決定した。




彼女は、今も路傍に立っている。





 No.182無くなりたくないけど、いつかは無くなるよね… 2009.10撮影
 栃木県那須塩原市


無くなるよ
  あなたの命
    大事にね


最近、なんかこういうオリジナリティのある交通標語って、昔みたいに見なくなった気がする。

でも、これは久々に好き。

個人的には、未だ交通標語のトップに君臨し続けている秋田県田沢湖町(現在の仙北市)の「地獄へ行くのよお父さん」の女の子(このNo.59参照)を思い出させた。


ほんと、大事にしようね… みんな。
オブローダーのお兄さんとの約束だよ。





 No.181これぞ県道の萌え擬人化? 2009.12撮影
 静岡県伊豆市


やさしくしてね♡
  県道80号
    古川交通安全会


爆笑というほどではないが…

でも、なんかいい。  いいよね?

…どうせジジイが書いたんだろうけど…。







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