その50遂に発見!! 幻の 逸品!2004.3.31撮影
 宮城県志津川町 (現南三陸町)


 だらだらと続いてきた(オイオイ…)小ネタ集、もとい「ミニレポート」も、いつの間にやら50回を迎えた。
そして、そんな私につい先日、奇跡的な発見がもたらされたのだ。
私は、以前「クアトロ秋田」さんから“その”話を聞いて以来、ずっと探していたものを、やっと、初めて発見したのである。

嬉しくて嬉しくて、もう感激しっぱなしだったのだが、そろそろその発見を自慢したくなってきたので、ミニレポ50回の記念に、紹介したい。

みんな!注目!
私の発見に、ちゅーもくっ!





 ここは、海。
それも、見慣れた海ではなく、世界の海・太平洋です。
宮城県桃生郡は北上町小指という、太平洋に面した漁港に、私はおりました。

旅の目的は、もちろん山チャリ。
この時は、前夜から国道398号線をひたひたと、志津川目指し北上しておりました。
ただ走っていても、風光明媚な三陸は十二分に私を楽しませてくれましたが、やっぱりそこは、ヨッキれん。
旧道と思われる脇道には、片っ端からチャレンジしていきます。

そんな中で、私は、発見に出会ったのです。




 それでは、その発見の瞬間まであと10kmほど、お付き合い願いましょう。

ここは、大指。
国道398号線は、この南三陸では唯一の沿岸道路であり、それなりに整備が行き届いています。
一昔前までは、酷道と罵られたこともあったようですが、いまでは、漁港を橋で、山を切り通しとトンネルで貫く、幹線道路です。
通行量は、少ないですが。

この大指でも、現道は立派な橋で入江ごと頭上を越えてしまいますが、もちろん旧道は丁寧に海岸線を上ったり、下ったり。
しかし、険しい道も、集落道路として現役です。




 志津川とは景勝神割崎で接している北上町、最北の集落「小滝」付近では、旧道はなんと砂利道でした。
現道とは殆ど離れていない場所を走っていますが、それ故に殆ど利用されることもなく、半ば廃道。
漁撈に使う道具が、路傍には山と積まれています。
殆ど無人の集落では、旧道もやはり、荒れている傾向があります。




 神割崎を左手に感じながら(観光をしている暇はないので、素通りです)、あっけなく志津川町に入りました。
しかし、まだまだ三陸海岸との別れは先で、志津川町の中心部は、まだ遠いです。
それでも、集落の頻度は増え、通行量も増えてきました。
志津川町は、南三陸では中心的な町の一つなのです。
また、この辺りの現道は、切り崩しで小山を超える展開が多く、そのたびに、旧道が削り取られてしまっています。
通れない旧道は、時間の都合上パスです。
現道から、観察するに留めます。



 寺浜を過ぎ、今度は藤浜です。
この藤浜から次の滝浜にかけては、現道とは数百メートルしか離れていないながらも、独立した旧道が続きます。
その様子は、とにかくアップダウンが激しいにつきます。
だから、体にも堪えます。
急勾配で海岸線の漁港や集落に降り、また崖を駆け上り、一山越えて、また海へ。
この繰り返しです。
しかも、道幅は狭く、自動車同士の離合が出来ない場所も目立ちます。
これじゃ「酷道」というのも、頷けます。




 海は、殆ど視界のどこかに入ってきます。
崖際の古い欄干が良い味を出しています。
もちろん、青い海に浮かぶお舟も、旅情を駆り立てずにはおきません。
三陸は、面白い場所です。



 またも現道に戻ります。
この様に、旧道でも改良されている場所もありますが、多くはありません。
また、路傍に残る標識は、現役当時に設置されたような、汚れ色褪せた物が目立ちます。



 現道に一旦戻るも、すぐに旧道が現れます。
今度は、おもむろに椿の森へと登っていきます。
志津川という場所には、椿が多く自生しています。しかも、もう咲いている。
三陸は、もうほんと、暖かい。




 旧道は、ほと目まぐるしく景色をかえます。
滝浜の集落が、ブレーキが軋むほどの急な下りの先に、見えてきました。
道幅は、相変わらず、2m強です。

発見まで、もう、2kmを切りました。






 もう、いい加減にヘトヘトになってきましたが、今日はまだまだ先は長く、へこたれている時間はありません。
さらには、最初は南風が押してくれていたものの、いつのまにやら、風向きは強烈な西風に転じています。
志津川から先、私は西へと向かうというのに…うんざりです。
そもそも、三陸より東に陸地はないのですから。



 一度は現道に合流しても、またも旧道は海側へと落ち込んでいきます。
ここから先は、津の宮、私に発見をもたらした地です。
さすがにまだ花を咲かせてはいませんが、立派な桜の山を下っていくと、津の宮漁港です。
もう見飽きるほど見てきた、古めかしい警戒標識は、ここにもありました。



 海を見れば、そこには穏やかな志津川湾の姿です。
椿や松を戴いた、可愛らしい島が、幾つも浮かんでいます。
もうそろそろ、志津川の中心地も近づいてきましたが、ますます西風に苦しめられ始めます。




 漁村といえば、やっぱりコレです。
人間と共に生きつつも、やっぱりどこか偉そうな、ニャー達の群れ。
あなたは、ここに何匹のニャーを発見しますか?
カメラを向ける前までは、6匹も、いたんですよ。
もう、堪りませんね。

でも、もちろん世紀の発見とは、コレのことではありません。
もう少しだけ、先です。



 ネコの楽園から、また上り坂が始まりますが、ここには一本の旧標識が残っていました。
残念ながら、写真では逆光のため判別できませんが、珍しい「CAUTON」の警戒標識です。
ハンドルさばきを一つ誤れば、海へと直行してしまう、急な下りの右コーナー。
確かに、危険な道ですね。

コレも発見でした。
でも、真の発見は、この登りを登った先にありました。
この写真の場所からは、ほんと、20m位しか離れてはいません。

それでは、参りましょう。



やりました。
遂に見つけましたよ。

やったぜ!! かあちゃん。









東北では目撃したという話を、私は聞いたことがなかった旧式警戒標識の「危険(DANGER)」を発見しました。

しかも、捨てられている。
もしかしたら、今ごろはもう…。



2004.4.9作成
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