大峠。
それは、閉伊川が北上山地に穿った幽玄な峡谷を越える、陸の難所である。
 
旧道へ入る
岩肌を削った古道
崩れ去った道
現れた旧道の痕跡

死の断崖を乗り越える

大峠
 おぞましい崩落地の先には、嵐のあとの透き通った青空のような、穏やかな景観が待ち受けていた。
進路を塞ぐ倒木の山
 一休止の後、峠を後にした私だが、すぐさま困難に突き当たる。
 難所は断続的に続いたが、何度かの担ぎの先で、やっと道が判然としてきた。
第14閉伊川橋
 峠から500mほど下ると、川面との比高も小さくなって峠は終わりを迎える。
 なかなか間近で見る事は少ない山田線のトンネルだ。
お 願 い
橋げたに自動車等が衝突したのを見た方は、至急下記までご連絡願います。 云々…

キノコの泥沼
 かすかな轍を頼りに、緑一色の森の中を、閉伊川の渓流に沿って進むこと200mほど。
 なおも進むと、足元には深い泥の地面が広がっていた。
 そして、この沼は執拗に私を困らせた。
生還
 実はキノコ沼には分岐点があって、崖上に登る道は200mほどで現道の大峠トンネルの袂に続いていた。
 現道の、先ほど下を潜ったばかりのアーチ橋から、キノコ沼付近を見下ろす。