林道

 山チャリといえば、やはり最大の舞台は林道であろう。
林道とは、林業のために建設された道路の総称で、道路交通法で規定される”道路”には属さない。
であるから、基本的に一般人の領域ではない。
しかし、実際のところ、林道のうち有名なもの距離の長いものの多くは、純粋に林業の為には使われてはいない。
山菜取りや、森林浴、ドライブ等の為に林道に分け入る人は多い。
 山チャリストもまた、山と、己の”内なる衝動”を制するために、林道へ分け入る。
そのとき、制すべき対象は、漠然とした”山”から、より具体的に「○×林道」のように意識されるのだ。

 林道は、それこそ無数に、この日本の山河に張り巡らされている。
その多くは、地図にも載らない無名のものである。そして、そんな林道の寿命はとても短く、多くは消滅しかかっている。
一方、名のある林道の中には、林道とは名ばかりのような、巨大なそして頑丈なものも有る。
林道と一言で言っても、その姿は千差万別。
地図上では似たような林道はたくさんあるが、走ってみれば必ず何かしらの個性を見つけることができよう。

 そんな林道の姿を、私なりに分類してみた。
この分類は、あくまで山チャリ研究会自作のものである。

分類のポイント

 私が実走に及んだ多くの林道について知りえている公式と思える情報は、せいぜい名称と延長と幅員、竣工年度、管理主体程度であり、多くの場合これらの情報は、林道のどこか(多くは起終点)に見つけた立札等によるものである。
 よって、正式な分類(分類基準によっていろいろあるが、例えば”民有林林道”と”国有林林道”とか、管理主体によって分ける方法もある。)を行うことは出来なかった。
だから、ここでの分類は、私の実走とささやかな日々の努力で知りえた情報から、分かりやすいように行ったつもりである。


大規模林道
 いきなりであるが、私はこの様に呼称され、山チャリストに崇拝されている(と思われる)、このナイス過ぎるネーミングの林道の親分臭の漂う、激しい(であろう)ヤツを未だ、駆逐し、また蹂躙したことが無いのだ!これは由々しき事態であり、性急に改善せぬならば、山チャリ馬鹿剥奪じゃん!!などと焦りを覚えるも、県内に無い!!!というすこぶる単純な理由により、手をこまねいている次第である。
だってー、輪行しても日帰りできるもんじゃねーしー(なんせ”大規模!”)、仕事休めねーものぉー…。
 要は、未実走
やめて、もう責めないでっ!!

 んで、私の知り及んだ話によると大規模林道は何が大規模かというと、先ず”計画”と”道路の規格”である。
計画は長大であり、しかも規格は国道級、未舗装なんてことは無いし、なっげートンネルが『ガンゴンガン』と連発し、なみいる連峰をこれでもかこれでもかと、削る!裂く!刻む!  いっやー、気持ちいいねっ!

 即ち…、環境問題、財政難云々の問題が山積の今、このような林道計画がほいほいと進むわけも無く、無数にあった計画の多くは頓挫、延期、放棄、といった運命をたどっている様である。
 でも、すでに出来上がってるものが岩手県内にあるらしい。
その名は、大規模林道奥岩泉線といって、全線で80Kmを越えるらしい!!
ほかには、どこだか忘れたけど、100Kmを超えるものもあった(未完成かも?)はず!!
むーーーーー、凄い!!凄すぎる!!Crazy! (←ヨッキれんがこの言葉を発したときは相当興奮している証拠である。注意して頂きたい) 悔しい!俺は悔しいぞっ!!逝きてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
余りの悔しさで、思わず長田線(地元のショボ林、2Km)を80往復してしまいそうだっ!!

広域基幹林道
 これが、私の一番好きな林道である。
多分あなたの県にも10本以上有るのではないだろうか、こいつは山々に密かに存在しており、その延長が他の林道に比べ長く(10Km〜30Km)、やりがいのある峰越し型が多いのが特徴、整備状況は他の林道よりはよいが、まちまちであり、半ば廃道化しているものも有れば、全線舗装といったケースも。
起終点にはしっかりとした「広域基幹林道○×線」といった表示があり、一本一本攻略してゆく楽しみ(←収集欲を満足させてくれる)のほかに、これを探すこと自体が楽しい。それまで知らなかった路線を見つけると最高に嬉しいのだ。
 県内には、17路線を確認しているが、実走済みなのは11路線である。
ただしこの17路線のうち、いくつかは、建設中であり、その数は3分の1程度に及ぶ。
ちなみに有名な白神山地の青秋林道(建設中止)も、広域基幹林道である。

 スーパー林道
 この馬鹿なネーミングは、建設全盛期の昭和40〜50年代には、地域住民を林道建設推進へと狂喜させたセンセーショナルなネーミングだったようだ。
正式名は、「特定森林地域開発林道」である。が、やっぱ、スパ林でしょう!俺的には。
 全国に23路線あるそうで、その全てが今では完成し、有料の観光林道化されているものもあれば、県道化したものも、林道のままのものもある。事業自体が終了しており、今後スーパー林道が増えることは無い。
23路線中、県内には幸いにも1路線がある。しかしその1路線は、かの悪名高き「田沢スパ林」である。
2度実走したが、いずれも押し、担ぎを強要された。
スパ林は、広基(広域基幹林道)をさらに長くしたようなものである。走り甲斐がある。
山チャリストとしては、死ぬまでにその全てを完走したいものだ。

峰越連絡林道
 こいつはどうも、実態がつかめない。
県内に2箇所を見つけているが、これが正式な事業名なのかも不明。
いずれもその名の通り、峠越えを目的とした路線であるようで、中途半端な行き止まりを恐れずに済むので山チャリストには嬉しいかもしんない。延長も短くは無いが、一般の林道と比べて特に長いとも思えない。
ま、略して峰連。そんなとこである。
 実態に詳しい方、ヨッキれんまでご一報を!

普通林道
 上記の区分外の林道達である。
やはり圧倒的な数とバリエーションがある、ビックリマンシールで言えば、キラキラしてない普通のシールくらいの割合か?(もっと?)
略せば、林道(そのまんま)。
 俺の中では、さらにショボ林、ハイスピード林道、クソ、などの分類(?)が有るかもしれないが、これらは、チャリ馬鹿大辞典にて紹介したい。

仮設林道
 一番嫌い。
頼むから入り口に明記して欲しい。「ここより先は仮設だよ、○×m先で行き止まりだよ」って。
俺的にはこれまでの経験上、仮設表示があったら引き返しても良いという不文律を持っているのだが、これが無ければ…、道自らが「The END」と観念するまで、突入してしまうのだ。その辛さ、せつなさといったら…。
 ズバリ、仮設林道はほぼ全てが廃道である。
ブルで斜面を切り崩し、木々をへし折り作った道は、役目を終えるとすぐ放置され、自然に帰されるのだ。
俺にとっては仮設林道は、山チャリの舞台というよりかは、トラップである。憎し!

林道県道/林道国道
 こんなネーミングは実在しないが、良くあるでしょ。
県道のくせに廃道、国道のくせに未舗装(これはもう殆ど無いか…)、ってゆうヤツが。
大抵の山間部の県道は元林(元、林道)である。
国道も、一部は元林。
そいつらがやっと、肩書きを手に入れたものの、そうすぐに生粋の県道国道に肩を並べることもかなわず、その惨めな姿をさらしている…。

安心しろ、俺は大好きだから。
これからも愛用するぜぃ!(ただし、馬場目林道は除く!It's crazy!