六厩川橋攻略作戦 序

公開日 2009.12.14
探索日 2009.11.24

 このレポートは、「道路レポート 岩瀬秋町線 (御母衣湖右岸道路)」の続編ですので、先に上記レポートをお読みになることをオススメします。
 本編において単に「一昨日の探索」や「前回」という表現を使った場合も、上記レポートで紹介した探索を指します。


東経136度56分54秒
北緯36度7分52秒


今回も懲りずに
この地点→
「六厩川橋」
を目指す。




「前回」は、六厩川橋の約2km手前にあるこの「秋町隧道」で敗退した。
原因は身を以て体験した背丈を超える水没だったわけだが、それをレポートで伝えたところの皆様の感想は、私の健闘を讃えるものが少なくなかった。

だが、私は気付いてしまった。
多くの「がんばった!」の根底に流れているのは敗者への労りであり、慰めを装った“がっかり”感だった。


「おおゆうしゃよ! しんでしまうとはなさけない。」

ぞくぞくと寄せられる「がんばった!」を読みながら、そんな言葉がリフレインした。


そして、何よりも多かったコメントは、“敗退の弁”として既に予告していた“翌々日のリベンジ”(今回の探索)への期待を表明したものだった。

しかしそれとて、もう結果は出ている話だった。
「前回」のレポートを書いている時点で、「今回」の結果は既に決していた。
そしてその結果が、必ずしも大勢の期待通りではないということを知っていた。
それゆえ、コメントを読むのがだいぶ辛かったことを告白する。


あらかじめ書いてしまうと、今回のリベンジは部分的に成功し、そして敗退する。



どこまで成功し、何に挫けたのか。

それをこれから長々と語ろうと思う。





リベンジは前述した通り、「秋町隧道」敗退の翌々日である2009年11月24日に一人で行った。

リベンジのプランだが、六厩川橋へ繋がる三方向3本のルートのうち、「秋町隧道」の通行不可能が決した南ルート「岩瀬秋町線」を除外した残る2ルートを問答無用で採用した。
2ルートは図中に赤で示した北ルート「森茂林道」と、黄色で示した東ルート「六厩川林道」である。

前者は高山市清見町大谷集落から六厩川橋まで約14km、後者は同六厩集落から六厩川橋まで15kmと計算され、どちらを使っても距離はほぼ変わらない。
問題はそれぞれどの程度の廃道があるのかと言うことで、情報提供者の一人が4年前に一度は踏破している東ルートの方が安全と考えてこれを帰路に、難度の予想できない北ルートを往路に利用することに決めた。

北ルートには序盤に「森茂峠」が立ちはだかり、さらに中間附近には「森茂」という廃村があるとの情報を得ていた。
いずれも見どころにも難所にもなる可能性があり、時間的・精神的に幾分余力のあるだろう前半戦に挑戦しようという思惑もあった。

さらに、出発時刻は出来うる限り早い方が良い。
この時期の場合、明るいうちに活動できる限度は午前6時30分〜午後5時までの10時間半だけである。
少なくとも30kmは山道を走破しなければならない今回の探索、出発前から時間的余裕は無いと思っていた。
にもかかわらず、こういうときだからこそ重要な…いつもは持ち歩いている道具を…ふたつも…忘れていくという、考えられない大ポカをしでかした事に気付いたのは、…すごく後だった。


色々な伏線(良い伏線は一つもなかった)をはらみながら、いざアタック開始。

目指すは、遙かなる六厩川橋への到達 と、出来るならば渡橋! そして生還だ。



空模様まで、旅立ちを祝福してないぜ…。